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基本2026-08-11

恵方はどうやって決まるのか。そして、なぜ全員同じなのか

節分が近づくと、「今年の恵方は南南東」といった言葉を、どこかで必ず目にします。恵方巻きをその方角に向かって、黙って一本食べきる。すっかり定着した習わしです。

ところが、この恵方がどういう理屈で決まっているのかは、あまり知られていません。そして、恵方と、九星気学でいう吉方位は、まったく別のものです。ここを混同したまま「今年の吉方位は南南東だ」と思い込んでしまう方が、毎年いらっしゃいます。順にご説明します。

恵方とは、歳徳神のいらっしゃる方角

恵方は、その年の福を司る歳徳神(としとくじん)がいらっしゃる方角のことです。あきの方、明の方とも書きます。もとは陰陽道の考え方で、九星気学とは別の体系に属します。

決め方は、拍子抜けするほど単純です。その年の十干、つまり甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸のどれにあたるかだけで決まります。十干は十年で一巡しますから、恵方も十年で一巡します。しかも実際に使われる方角は四つしかありません。

その年の十干 恵方 西暦の下一桁
甲・己 東北東(やや東) 4・9
乙・庚 西南西(やや西) 0・5
丙・辛・戊・癸 南南東(やや南) 1・3・6・8
丁・壬 北北西(やや北) 2・7

西暦の下一桁を見るだけで分かります。2026年は下一桁が6ですから丙の年で、恵方は南南東。2027年は7ですから丁の年で、北北西です。

なお「東北東」といっても、正確には東北東よりわずかに東寄りです。方位磁石でいえば75度の方向にあたります。同じように西南西は255度、南南東は165度、北北西は345度。細かいことを言えばこうなりますが、恵方巻きを食べるぶんには、だいたいの方角で差し支えありません。

ここが決定的に違う ── 恵方は全員同じ、吉方位は人ごとに違う

さて、本題です。

恵方は、日本中の誰にとっても同じ方角です。北海道の方も沖縄の方も、生まれた年が違っても、その年の恵方は一つ。年が変われば全員そろって別の方角を向く。それだけのものです。

対して九星気学の吉方位は、お一人ずつ違います。ご自分の本命星がその年・その月・その日にどの方位へ回ってくるか、そしてご自分と相性の良い星がどこにいるかで決まるからです。同じ日でも、ある方には東が大吉方で、別の方には東が本命殺という凶方位になります。年齢によっても変わります。

つまり、こういうことです。

  • 恵方 … その年の福の神がいる方角。誰にとっても同じ。年に一度、四択。
  • 吉方位 … その方が動いて福を得られる方角。人ごと・日ごとに違う。

どちらが優れているという話ではありません。目的が違います。恵方は「今年はこちらを向いて福を願う」という、季節の行事としての方角です。九星気学の吉方位は、「この日にこちらへ動けば、この方に良い気が働く」という、実際に足を運ぶための方角です。

ですから、恵方の方角へ引越したり旅行したりしても、それが吉方位になるとは限りません。むしろ、その方にとって五黄殺や暗剣殺にあたっていることも普通にあります。恵方巻きを南南東に向かって食べるのは構いませんが、南南東へ引越すかどうかは、また別の話としてお調べください。

節分の日付は、実は動きます

もう一つ、意外に知られていないことがあります。節分は必ずしも2月3日ではありません

節分とは「季節を分ける日」、つまり立春の前日のことです。そして立春は、太陽の位置で決まる二十四節気の一つですから、年によって2月3日になったり4日になったりします。したがって節分も、2月2日になる年と3日になる年があります。

2021年の節分が124年ぶりに2月2日となったことは、当時ずいぶん話題になりました。ただ、これは一度きりの珍事ではありません。当研究所の計算では、2025年もすでに2月2日、次は2029年、その後もしばらく4年おきに2月2日が続きます。近い年を並べておきます。

立春 節分 十干 恵方
2026年 2月4日 2月3日 南南東
2027年 2月4日 2月3日 北北西
2028年 2月4日 2月3日 南南東
2029年 2月3日 2月2日 東北東
2030年 2月4日 2月3日 西南西

「節分は2月3日」と覚えていると、数年に一度、一日ずれます。豆まきも恵方巻きも、その年の暦をご確認ください。

九星気学にとって、この立春という日は特別に重い意味を持ちます。年盤が切り替わるのが、元日ではなく立春だからです。1月1日を迎えても、気学の上ではまだ前の年が続いています。立春を境に、はじめてその年の盤に変わる。この一点は、初詣の方位を考えるときにも効いてきますので、覚えておいて損はありません。

恵方参りという習わしについて

恵方巻きよりも古くからあるのが、恵方参りです。年のはじめに、ご自宅から見て恵方にあたる神社仏閣にお参りする、というもの。江戸時代までは、初詣といえばこの恵方参りが主流でした。

こちらも同じで、恵方は全員共通の方角ですから、ご自分にとって良い方位かどうかは別に見る必要があります。せっかくお参りに出かけるのでしたら、ご自分の吉方位にあたる日と方角を選んで行かれるほうが、気学の考え方には適っています。

ご自分の方角を調べてみてください

恵方は、下一桁を見れば誰でも分かります。難しいことは何もありません。

ですが、ご自分にとってどの方角がよいのかは、生年月日がなければ出ません。当研究所では、正統九星気学(宗家)の手順にもとづく計算を、無料でお使いいただけるようにしています。生年月日を入れるだけで、その日の八方位の吉凶が出ます。登録も、インストールも要りません。

節分の恵方を確かめたついでに、一度ご自分の吉方位もご覧になってみてください。おそらく、思っていた方角とは違うはずです。


この記事の立春・節分の日付は、当研究所の計算によるものです。二十四節気の日時は国立天文台が毎年2月に翌年ぶんを「暦要項」として官報で公表しており、そちらと照合しています。恵方の決め方は、十干に歳徳神を配する陰陽道の古い慣習にもとづくもので、特定の団体が定めたものではありません。

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